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企業養鶏と自然養鶏
企業養鶏について

たまごは物価の優等生といわれています。
昔から値段があまり上がっていません。昔たまごは高級食材でした。また、味も良かったと言われています。

昔は農家の庭先に、10羽程度にわとりが飼育されていました。
次第に飼養規模が拡大して、戦後、100羽単位1000羽単位と増加していきます。
そして昭和30年代、水産会社、商事会社、飼料会社など大企業が養鶏経営に参入します。
それに伴って、昔ながらの平飼いからケージ飼いへ変わっていき、飛躍的に技術が進歩していきます。

現在の大規模養鶏場は、コンピューターで管理されています。餌やりもタイマーでセットしてあり
決まった時間に自動給与されます。温度も、設定された温度になるように大型ファンによって調整されています。
夏の暑い日など、微細な霧を噴霧して温度を下げたりします。

鶏舎の構造もウィンドウレス(窓なし)で鶏舎一棟で10万羽飼育も珍しくありません。
コンピューター制御のため10万羽を一人で管理できます。
昔にくらべ人件費はあまりかかりません。

しかし、大羽数飼育による弊害もあります。
鶏舎一棟に何万羽も同居するということは、人間界でいえば常に満員電車の状況に近いと思います。
当然病気も発生しやすくなります。
細菌感染、特に黄色ブドウ球菌による感染症やウイルス性の伝染病、伝染性気管支炎やマレック病など鶏病はたくさんあります。
最近世間を騒がせているのは鶏インフルエンザでしょうか。(現在日本では鶏インフルエンザのワクチンは認可されていない。)

そのため、ひよこの段階から薬やワクチンを投与、接種することになります。
まず一例として、抗生物質を、ひよこの時にクリーニング的に投与されます。
そのあとは何種類ものワクチンを水に溶かして飲ませたり、噴霧したり、点眼したり、注射したり、
卵を産むまでに十数回、ワクチン接種します。

また、鶏病予防のための鶏舎の消毒に大量の農薬が使われます。
消毒作業は大変過酷な作業です。窓なし鶏舎のため薬が残留し、息も苦しいことがあります。
消毒作業も徹底的に行うために何種類もの農薬をいろんな方法で使用します。
消毒後、鶏舎内を綿などで拭き取り、細菌検査などを行います。

このように薬、消毒により大量飼育を可能にしています

現代の企業養鶏は機械化による合理化、ワクチン、抗生物質、消毒薬の進歩により大量飼育が可能になりました。
このような努力により現在のたまごの安さがあると言えます。

自然養鶏について

近年、特殊卵と称して値段が高めのたまごがあふれています。(当農園のたまごもそうなのですが、、、、。)
特殊卵で一番多く流通しているのは、
鶏の食べた餌の栄養素がたまごに移行しやすい特性を利用した、ある特定の栄養素を高めたたまごが
一番多いのではないかと思います(ヨード卵など)。
あと、珍しい鶏が産んだたまご(ウコッケイなど)、特殊な水を飲んだ鶏のたまご、ケージで飼っているが特別な餌を食べた鶏のたまご、
平飼いのたまご、放し飼いのたまご、有精卵等、たくさんの種類があります。

では、なぜ値段が高いのでしょうか。
  ○特定の栄養素を高めたたまごは、ケージによる大量飼育ではあっても、少々餌代が高い。
  ○珍しい鶏が産んだたまごは産卵率が低いため高い。
  ○平飼いのたまごは、大量に飼育できないため非効率でありコストがかかる為。
  ○放し飼いのたまごも平飼いと同様。

自然養鶏のたまごも特殊卵です。
自然養鶏と一言で言っても飼育者によっていろいろな考え方があり、その飼育法は千差万別です。
おおまかに言うと、「平飼い、放し飼いでより自然な飼育法による養鶏」です。
少なくとも、薬などはあまり使用しないか、まったく使用しないのが普通です。
例外として、ワクチン、法定伝染病であるニューカッスル病のNDワクチンなどは使用している自然養鶏場はあると思います。
ニューカッスル病は鶏にとって鶏インフルエンザのように非常に感染力が強く、死亡率も非常に高い伝染病です。
この病気が養鶏場で発生すると、その鶏群は全て陶汰(殺処分)されます。

餌に関しては
  @ 市販の配合飼料のみを給与
  A 市販の配合飼料に独自の飼料をプラスして給与
  B 市販の配合飼料は使用せずに、独自に配合して給与
  C 独自の飼料を発酵させて給与
  D 自給飼料
などのパターンがあります。
卵価的に見れば@が一番安く、A〜Cの順に高くDが一番高いたまごになると思います。

自然養鶏では市販の配合飼料はあまり使われていないかもしれません。市販の配合飼料にはエトキシキンという
抗酸化剤が添加されているため敬遠する人の方が多いと想像できます。
国が認可しているので特に問題はないとされていると思いますが、私自身気分的にそのようなえさを食べた鶏が産んだ
たまごを食べる気になれないので餌は独自で配合、発酵させています。

飼料を発酵させて与えることは大変手間がかかり根気が要りますが、鶏の健康を考えると良い飼料です。
自給飼料は無農薬の飼料が調達できるため究極の飼料であると思います。
インターネット上で調べると自給飼料のたまごは非常に高い値段がついています。
1個200円のたまごもあるようです。

平飼いといっても鶏舎の中にぎゅうぎゅうに鶏を入れているところもあります。
反対に広大な敷地に少ない羽数で放し飼いしているところもあるでしょう。
鶏を外に放してみればわかりますが、鶏舎の扉を開ければ待ってましたとばかりに飛び出していきます。
鶏は飛ばないと思われていますが、10メートル近く飛んで出て行くこともあります。
大変楽しそうです。各々、砂浴びしてみたり、虫を追いかけてみたり、日光浴してみたりいろいろです。

 
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